『あのころの未来』
- 作者: 最相葉月
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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膨大な数の作品群の中で、「ボッコちゃん」や「おーいでてこーい」などの超有名な作品のほかに、個人的に記憶に残っている作品がいくつかある。「テレビシート加工」は、その当時、タンスみたいに家具調だったTVが、紙状に薄くなってポスターのように壁に飾られている世界を描いた作品だった。今、TVは薄くなっている。有機ELディスプレイなどはまさにこの「TVシート加工」に迫るものだろう。あと、家族を主題にした作品(題名失念しました・・)で、家がまずあって、そこに父・母・子などの構成員がいて、その一人が家を出、他の人間がその家に来て、自然に家族の一員となり、また次の家族の一人が家を出、他の人間が家族となって家に入ってくるという話があった。どの本に入っていた話だったか、全く覚えていないのだが。これは何を意味したのだろうか。・・思うに、星新一は膨大なショートショートを遺し、そのほとんどは未来に対する苦言であり提言であり、こうなってはいけないという助言であったのだろうけど、どこかで、思いつきというか、その話自体の面白さを追求していたのではないかと思う。全部が未来への提言ではなかっただろうと思うのだ。だって、そうでなければ、これほど楽しくなかっただろうし、子どもの頃読んだのに、これほど大人に(中高年に)なってまで心に残っていないと思うのだ。