『エンジン・サマー』
- 作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 文庫
- 購入: 37人 クリック: 234回
- この商品を含むブログ (103件) を見る
『氷』もそうだったけど、歴史的名作といわれる幻想小説って、その世界観があまりに独創的すぎて、慣れるまでに相当な努力が必要とされるのだ(私だけか?)。疲れて嫌になって、もうやめちゃおうかと思ったりしたけど、最後まで読んでよかった!全ての謎がすっきり解けるってわけでもないのですが、ラストはあぁ、そうだったのかと、かなりのカタルシスが得られる仕組みになっている。雲の上に浮かぶ荘厳な都市と、反対に荒れ果てて誰もいなくなった地上・・。そんな、はかなくて無情ででも限りなく美しいイメージが浮かんできて、余韻にどっぷり浸っていたら、あの後ワンス・ア・デイはどうなったのか、気になってたまらなくなってきた。
解説によるとクロウリーの未訳の長篇も近々刊行されるそうなので、そちらも楽しみだ。