9月に読んだ本。

9月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:7675ページ

天使天使
読了日:09月01日 著者:須永 朝彦
八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)
「ポドロ島」のみ既読。表題作、どこかで読んだことがあるような既視感があるんだけど、はっきり思い出せず。個人的に「顔」がいちばんよかった。ホラーでも幻想風味とか風刺の効いたのがいいな。「ハリー」、「もどってきたソフィ・メイソン」もよかった。
読了日:09月01日 著者:
つやのよるつやのよる
艶という女に関わった男たちと、その妻や恋人や娘の現在が順番に語られる。家庭や仕事を捨てたり人生そのものを葬ってしまう男たちと、それによって自分の人生と向き合うことを余儀なくされる女たち。徐々に霧が晴れるように見えてくる艶そのものの姿はどうしようもないダメな女であり、なぜこんな女に・・と思うのだが、そこに人生の底知れない闇を感じた。最後の松生の「終わりが来るのも来ないのも同じくらい恐い」という台詞が圧巻だった。
読了日:09月01日 著者:井上 荒野
僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)
はー、暖まるわー。こんなハートウォーミングな話もたまにはいいな。・・で結局、父親殺した犯人って×××でいいんですよね?
読了日:09月03日 著者:小路 幸也
尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし)尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし)
読了日:09月05日 著者:多和田 葉子
悪貨 (100周年書き下ろし)悪貨 (100周年書き下ろし)
読了日:09月06日 著者:島田 雅彦
トッカン―特別国税徴収官―トッカン―特別国税徴収官―
読了日:09月07日 著者:高殿 円
ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
読了日:09月08日 著者:森見 登美彦
マーチ家の父 もうひとつの若草物語マーチ家の父 もうひとつの若草物語
若草物語』では書き割りの背景にしか見えなかった父親は、従軍牧師として戦争のただ中にあり、奴隷制度の悲惨さをも身をもって味わっていた。聖母のような完璧な母親も、嫉妬したり激情を押さえきれずに醜態を演じたりするふつうの人間として描かれていて、最初はとまどったが、それもそうだよな、と納得してしまった。この濃厚な物語を読み終えてしまうと、元の『若草物語』には戻れなくなってしまいそう。(続編を読もうと思っていたのだけど)
読了日:09月10日 著者:ジェラルディン ブルックス
原稿零枚日記原稿零枚日記
奇妙で切なくて、少し寂しくて同時にじわっと温かい。小川ワールド堪能しました。現代アートを巡る旅、母の靴を買いにデパートに行く話、あらすじや暗唱、パーティー・運動会・新生児室荒らしの話。どれもおもしろかった。ベストは盆栽フェスティバルかな。
読了日:09月11日 著者:小川 洋子
どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)
「メカメカはしてません、カメカメはしてますけど」な万年1号と自律式人工知能アリスの、なんだかよくわからない冒険。ミミズの体内に飲み込まれた(?)地下鉄とかツボでした。どことなくユーモラスなヒトデナシや、人間の世界に似せた創造物はキュート、なんだけど、そういう見た目のかわいらしさとは裏腹に、実は恐い・・っていう。だけど一筋の光もある。そんな話だった。
読了日:09月13日 著者:北野勇作
奪い尽くされ、焼き尽くされ (新潮クレスト・ブックス)奪い尽くされ、焼き尽くされ (新潮クレスト・ブックス)
読了日:09月13日 著者:ウェルズ タワー
英雄たちの朝 (ファージングI) (創元推理文庫)英雄たちの朝 (ファージングI) (創元推理文庫)
読了日:09月15日 著者:ジョー・ウォルトン
暗殺のハムレット (ファージング?) (創元推理文庫)暗殺のハムレット (ファージング?) (創元推理文庫)
苦かった・・。けど?より倍くらい面白くなってる。?がいよいよ楽しみに。
読了日:09月16日 著者:ジョー・ウォルトン
アンランダン 上 ザナと傘飛び男の大冒険アンランダン 上 ザナと傘飛び男の大冒険
読了日:09月18日 著者:チャイナ・ミエヴィル
アンランダン 下 ディーバとさかさま銃の大逆襲アンランダン 下 ディーバとさかさま銃の大逆襲
ファンタジーでジュヴナイル、って基本苦手なんだけど、楽しめた。ミエヴィルすごい。イラストも楽しいし、異世界の造作が緻密で意外で。特に好きだったのは、図書館の本棚をずーーーっと上って行って・・、ていうのと、クロマドグモ、音像子、牛乳パックのパックン、頭が鳥かごのヨリック、自動車の車体がさかさまになった船・・などなど。全てクオリティ高かった。
読了日:09月21日 著者:チャイナ・ミエヴィル
イキルキスイキルキス
やはり「鼻クソご飯」かなぁ。理不尽な暴力に彩られた話なんだけど、それほど陰惨な感じがしないのは、語り手が常に真面目に(って言うのも変だけど)自らの気持ちと向き合っているから。屈折して鬱々してどうしようもないのに、前向きなのだ。
読了日:09月22日 著者:舞城 王太郎
遍路みち遍路みち
読了日:09月22日 著者:津村 節子
乙女の密告乙女の密告
読了日:09月23日 著者:赤染 晶子
愛という名の病愛という名の病
読了日:09月25日 著者:パトリック マグラア
バッキンガムの光芒 (ファージング?) (創元推理文庫)バッキンガムの光芒 (ファージング?) (創元推理文庫)
読了日:09月26日 著者:ジョー・ウォルトン
黙祷の時間 (新潮クレスト・ブックス)黙祷の時間 (新潮クレスト・ブックス)
ピュアすぎる・・。80過ぎの人が書いたとは到底思えない。琥珀の中の虫が象徴する、少年と女教師との濃密な時間。露骨じゃない描写が逆に胸に迫って。とっくに失ってしまった感情をしばし取り戻した感じだった。あーー(ため息)
読了日:09月27日 著者:ジークフリート・レンツ
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)
意外に明るかったなー。肩透かしっぽいけど、これはこれでいいと思う。
読了日:09月28日 著者:中村 文則
変愛小説集2変愛小説集2
読了日:09月28日 著者:
パストラリアパストラリア
表題作の設定のおかしさと、登場人物たちが背負っている現実の重さのアンバランスさにまずやられた。全て好みでした。ベストは「シーオーク」。ゾンビも出てくるし、笑えて泣けて、今年いちばん好きな短篇になるかもしれない。巻末の作者の言葉も胸に響いた。「人生がこれほど苦悩だらけだというのに人は無表情な顔をしているのは、僕にとってかなり可笑しなことだ。・・だから真摯に小説を書こうとすると、(そこから生じる可笑しさを)信じなければと思っている。コミカルなもの以外は書けない。真面目一方というのは僕にとっては敵なのだ」
読了日:09月30日 著者:ジョージ ソウンダース

読書メーター

 完全に月に一度だけの更新になってしまった。一冊ずつ感想を書けたらいいんだが、こんなアホっぽい文を書くにもバカみたいに時間がかかるので、その分読んだ方がいいかなと思い。読むのもすごく遅いのだ。
 9月はファージング3部作、アンランダン、パストラリア、などなど当たりがたくさん。珍しく日本の作家もたくさん読んだ。多和田葉子島田雅彦小川洋子井上荒野、など話題の新作を読めたんだけど、どれも面白かった。日本の作家も読んでいきたいし、それ以上に海外の作品も興味を惹かれるのがたくさんあって、どうしたらいいのやら。